高齢者のリハビリ

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日本は世界一の長寿国であり、世界一の高齢国でもあります。こうした背景とともに「高齢者のリハビリ」が注目されている。

人は老化に伴い活動力が低下していく。これは、脳卒中や骨折などといったアクシデントの内容がはっきりしているもによって引き起こされるのではない。いわゆる、加齢による廃用症候群や変形性関節症や認知症などが原因となる。

老化に伴う活動力の低下はちょっとしたことがきっかけとなり引き起こされる。
例えば、風邪などをひいて寝ていたことにより歩けなくなってしまったり、家族(嫁)とケンカなどをして気分的に落ち込んでしまい引きこもりがちになり体力が低下してしまったりと様々です。

このような場合は周囲の人がいち早く変化に気づくことが必要となる。
精神的なケアはもちろん、リハビリの回数を多くするなどの対応が求められる。

このような活動力の低下はうっかりすると見落としがちになるので常日頃からコミュニケーションをとる必要がある。

お年寄りの運動

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「運動」というと飛んだり跳ねたりするイメージがあり、お年寄りには抵抗があります。

そこで従来の「運動」とは異なる、「米国国立老化研究所の新しい運動指針」というものがあるので紹介します。

  • 慢性病の予防

  かなり少ない量の軽度から中等度の運動を行う

 

  • 生活の自立性の維持

  有酸素運動よりも、軽度の筋力運動やストレッチングを中心に行う

 

  • 一日30分の運動を毎日

    10分ずつ、3回に分けて行ってもよい

 

基本的にお年寄りの運動は、一所懸命になりすぎずに長続きするような運動がよいとされる。

お年寄りに限らずにほとんどの人はつらい運動を継続することはできないのですが・・・

     

リハビリをしてはいけない場合があります。その基準には血圧や脈拍が関わってきます。

アンダーソンの基準の土肥変法やアメリカスポーツ医学協会のスポーツ参加基準などがよく参考にされます。

アンダーソンの基準の土肥変法では、血圧200/120mmHgまではリハビリが可能と、かなり緩めの基準となっています。

アメリカスポーツ医学協会では、「血圧180/110mmHg未満で臓器障害を有さない者はすべての競技スポーツに参加できる」としるされています。

上記の基準ギリギリの場合などは軽めのメニューにした方がよいでしょう。例えば、息が切れるほどの筋力運動などは避けて、マッサージなどをするなど。

しかし、適度な運動は高血圧を軽減する効果があるので、高血圧は原則としてリハビリ禁忌とならないという意見もあります。

普段から血圧をはかり、一日一日の変動を記録しておくことが大切である。個々の状態を考慮していなければリハビリ中止の基準があいまいになる。

日本は脳卒中が多いので重度の高血圧に対する運動は控える傾向があります。不安であれば、医師に血圧の薬の相談やリハビリの相談をすることをお勧めします。

病院リハビリと在宅リハビリは目標が違います。

病院リハビリの目標は病気の克服と社会復帰であり、最大の目標は自宅への退院です。

一方、在宅リハビリの目標は自宅での日常生活の維持や向上、生活の質の向上などで、病院リハビリでの退院に相当するようなゴールはありません。

また、病院リハビリでは活動の回復が早く、在宅リハビリでは緩やかな回復を示します。このため、在宅リハビリは効果がないと思ってしまう方もいます。

障害を負った本人やご家族は発症前のレベルまで回復を望むため、障害を受け入れられず、現実とのギャップが生じてしまいます。

在宅リハビリは長時間かかわるケースが多いので、ゆっくりと時間をかけて、ご本人とご家族に現実を受け入れていただけるように努力をして、前向きに取り組む必要があります。

「座る」ということ

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座ることには多くの効果があります。

また、座ることは寝たきりにさせないための第一歩となります。

しかし、長期間寝たきりが続いていた患者さんを急に座らせることは危険です。

長い間の寝たきりは血圧調節機能を低下させます。
横に寝ていれば簡単に脳へ血液が供給できるので、重力に逆らって血液供給する必要がなくなり調節機能が退化するからです。

血圧調節機能が低下した方の上体を起こすと、脳の血流が下半身に下がり減少してしまいます。それにより起立性低血圧を生じて、めまい、悪心、嘔吐などを起こしやすくなります。

介護用ベッドなどを使っている場合はベッドアップを30°、60°、90°と少しずつ角度を上げることが必要です。90°が可能となったら、1日の座位訓練の回数を増やしていきます。

まずは3度の食事を座位でとれるように頑張りましょう。

そして、ベッドアップ90°が安定したら、介助しながらベッドの端で座位ができるように訓練します。

さらにベッドの柵やスイングバーなどにつかまり自力で座位ができるように訓練します。

「立つ」リハビリ

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「立つ」とは2本足で自分の体重を支えることです。

そのために踵に体重をしっかりのせて、膝をしっかり伸ばして、太もも(大腿四頭筋)に力をいれる必要がある。

足関節に拘縮があったり、膝に拘縮があったりすると立つのが困難となる。膝が曲がったままで立っていると大腿四頭筋が常に緊張してしまい疲れやすくなるし、腰も前かがみになり腰痛の原因にもなる。

立つためには足関節や膝関節の拘縮予防や改善をすると同時に大腿四頭筋の強化が必要となる。

リハビリなどを行う際はこういった理論を患者さんに説明をすると、リハビリの受けもよくなり意欲も引き出しやすいのではないか。

「歩く」ということ

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立つことができるからといって歩けるとは限りません。

立っているときは上半身の体重を左右の足で分散させて支えている。しかし、歩いているときは片側の足で上半身の体重を支えていることに加えて、あがっている方の足の重さものしかかります。単純計算では歩いているときは立っている時の2.5倍もの負荷が片足にかかっています。

歩くのには大腿四頭筋(太ももの筋肉)の踏ん張りが必要になります。そのため、大腿四頭筋の強化は歩行困難な方には大変必要なリハビリとなります。

その他、支えて踏ん張る方の筋肉ではなく、足(太もも)を挙げる場合の筋肉は腸腰筋が大切になります。腸腰筋は腸骨と腰椎からはじまり大腿骨に付着する筋肉です。おもな働きは股関節の屈曲です。腸腰筋が弱いと足が挙がらずにつまづいて転倒の原因となりますので要注意です。

 

近頃はバリアフリーという言葉も定着して、障害者や高齢者にとって生活しやすい環境づくりが心がけられている。段差などを少なくして車いすでもは入れるようなお店や入口に手すりをつけるお店など様々である(店側の責任問題などの面から行っているところもありますが・・・)。

このバリアフリーの考えはある程度以上の障害のある方には大変必要なもので、転倒の防止や事故防止に役立っています。しかし、障害の程度が低い方(単に筋力が弱っていて少し歩行困難な方)には逆効果となる場合もあります。

段差がなくなれば足を高く上げる必要もなくなり腸腰筋や大腿四頭筋も衰えます。高齢者に必要以上にエレベーターを勧めれば当然足腰も弱くなります。むやみに電車内で高齢者に座席を譲れば脚力は落ちる一方です。

リハビリは日常生活にあります。バリアフリーという言葉に甘えすぎるのも考えものです。便利になりすぎて楽で疲れないものを選択している健常者や若者にもこの考えは当てはまります。状況に応じた使い分けが必要になります。

お年寄りに電車内で席を譲ったときに、「有難いのですが、リハビリ中ですので・・・」と言われたことがありました。とても感動しました。

 

日本において死亡原因の一位は悪性新生物(癌)で、二位は心疾患である。一方、寝たきりの原因の一位は脳血管疾患で、そのあとに高齢による衰弱、認知症と続く。

高齢人口の割合が多い女性においては脳血管疾患による寝たきりは男性の場合よりす少なく、老年症候群による寝たきりが多くなる。

老年症候群とは、転倒による骨折、認知症、体力低下、鬱などです。要介護者の多い女性を中心に考えると、これらの老年症候群を早期に発見して、早めに対策をたてることがお年寄りの寝たきりを減少させることにつながります。

家族の中にお年寄りのいる方は、男女で寝たきりの原因が微妙に異なることを頭の片隅においておくとよいでしょう。

脳卒中と便秘

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脳卒中になると便秘になりやすいとよく聞きます。これはいろいろな要因がありますが、そのひとつに歩行能力が大きく関係しているようです。

歩行することにより血行がよくなり腸の活動も活発になります。そのほか、歩行能力のある人は外のきれいな空気やすばらしい景色をみたり、わくわくするような精神的な刺激を受けることができます。その刺激により腸の活動も活発になります。

よく本屋さんに行くとトイレに行きたくなる方がいるようですが何か関係があるのかもしれません。ひとによってはビデオ屋さんであったり、ゲーム屋さんであったり、旅行先であったりするようです。

精神的な意味も含めて歩行するということは大切なことである思います。